一本の物差しは存在しません
感じ方は、部位ごと、刺激の種類ごと、そして日ごとに違います。ある部位では強い刺激が心地よく、別の部位では同じ強さが痛い。昨日は良かった触れ方が今日は不快。これは矛盾ではなく、通常の状態です。
にもかかわらず「感度」という一語でまとめると、高いか低いかの一次元に押し込むことになります。押し込んだ時点で、自分の反応の実際とは合わなくなります。「どこが」「どういう触れ方で」「どんな日に」という形に分けるほうが、はるかに役に立ちます。
反応に影響する身体の要因
気持ちの持ち方の話にされがちですが、身体側の要因ははっきりしています。
| 薬 | 一部の抗うつ薬(とくにSSRI)は、性的な反応や達しにくさに影響することが知られています。一部の降圧薬やホルモン製剤も同様です。 |
|---|---|
| ホルモン | 月経周期のなかでも変動します。産後、授乳中、更年期前後には潤いや反応が変わります。 |
| 疲労・睡眠 | 睡眠不足や強い疲労は、そのまま反応の鈍さとして現れます。 |
| 甲状腺・貧血 | 全身の状態として、意欲や反応に影響することがあります。 |
| 飲酒 | 緊張は緩みますが、感覚そのものは鈍くなります。 |
心当たりがある場合、原因は気持ちではありません。服薬中の方は自己判断で中止せず、処方元にご相談ください。
「鈍い」のではなく「届いていない」ことがあります
強くしないと分からない、という状態のとき、感度が低いのではなく準備が足りていないだけということがよくあります。充血と潤いが十分でない状態では、同じ刺激でも届き方がまったく違います。
準備が足りないまま強さを上げると、痛みが出て、その痛みが次回の緊張になります。強さではなく時間を足すほうが、多くの場合は近道です。方法・コツで順番を書いています。
比較で決めないでください
感度という言葉が出てくる文脈は、たいてい比較です。相手と比べる、体験談と比べる、以前の自分と比べる。比較は焦りを生み、焦りは緊張になり、緊張は反応を鈍くします。「感度が低い」という自己評価そのものが、条件を悪くする方向に働きます。
変えられるのは評価ではなく条件のほうです。時間、潤滑、痛みの有無、やめる自由。この4つから確認してください。
よくある質問
感度は鍛えられますか。
鍛えるという捉え方より、条件を整えるという捉え方のほうが実際に近いです。準備の時間や潤滑が足りていないことが「鈍さ」として現れている場合が多くあります。
薬の影響かどうか、どう判断すればよいですか。
「以前と変わったか」「薬を始めた時期と一致するか」が手がかりです。判断は処方元にご相談ください。自己判断での中止は避けてください。
日によって違うのは異常ですか。
異常ではありません。月経周期、疲労、睡眠で変わるのが通常です。