演技は、続けるほど訂正しにくくなります
最初は気遣いから始まったはずのものが、回数を重ねるうちに前提になります。相手は「これでうまくいっている」と認識しているので、時間も強さも調整されません。つまり演技を続けている間は、条件が改善する経路が閉じています。
そして、続けた期間が長いほど「今さら言えない」が強くなります。ここが、この問題がひとりでに悪化していく理由です。
切り出すときの原則
3つあります。
- 過去を否定しない。「今までのは嘘だった」という形にすると、相手は否定されたと受け取ります。
- 相手の技術の話にしない。「下手だから」ではなく「私の身体はこうらしい」という形にします。
- してほしいことの形で言う。「やめてほしい」より「こうしてほしい」のほうが受け取りやすくなります。
言い方の例
そのまま使えるとは限りませんが、形の参考として。
- 「最近調べていて分かったんだけど、私の身体、時間がかかるタイプみたい」
- 「気持ちよくないわけじゃないんだけど、イクところまでは行っていないことが多くて」
- 「ここ、もう少し長くしてほしい。急がなくて大丈夫だから」
- 「痛いときに痛いって言えてなかった。今度から言うね」
- 「うまくやらなきゃって思うと逆に固くなるみたい」
共通しているのは、相手のせいにも自分のせいにもしていないことです。原因を「私の身体の性質」に置くと、責任の押し付け合いになりません。
ベッドの外で話す
その場で言うのは難易度が高すぎます。裸で、直後で、相手が満足している状況では、どんな言い方でも角が立ちます。
できれば、まったく関係ない時間——食事のとき、移動中、寝る前の雑談——に、軽い調子で出すほうが通りやすくなります。「そういえば」で始められる話にしておくと、深刻な相談になりません。
相手が受け取れない場合
伝えても「気にしすぎ」と流される、機嫌が悪くなる、責められたと受け取って怒る——こういう反応が返ってくることもあります。この場合、問題は身体でも伝え方でもありません。
ここで無理に自分の側を変えようとすると、演技に戻るしかなくなります。関係のほうを考える必要がある場面です。少なくとも、言えない状態が続く限り、条件は改善しません。
先に自分の側を確かめておく
相手と話す前に、自分の身体がどういう条件で反応するのかを把握しておくと、話しやすくなります。「時間が要る」「この強さだと痛い」といった具体を持っていれば、伝える内容が明確になります。
よくある質問
今さら演技だったと言えません。
「今までのは嘘だった」という形にせず、「私の身体は時間がかかるタイプみたい」のように性質の話にすると切り出しやすくなります。
言ったら傷つけませんか。
技術の話にすると傷つきやすくなります。してほしいことの形で伝えると受け取りやすくなります。
伝えても変わりません。
伝えても受け取られない場合、身体や伝え方の問題ではありません。言えない状態が続く限り条件は改善しないので、関係のほうを考える場面です。